赤ちゃんが生まれて少しお世話も落ち着いた頃、育児に関して色々と疑問が出てきます。
今回は絵本の読み聞かせって、いつから始めたら良いのかしら?という問いに教育・発達心理学の視点から効果とおすすめの本の選び方をまとめました。
Contents
絵本の読み聞かせはいつからする?
絵本の読み聞かせですが、赤ちゃんもお母さんやお父さんの声は聞こえています。
ゆったりとした環境で、物語を読んであげると赤ちゃんはスヤスヤと寝てしまったという話も聞きます。
私も子供が生まれてからすぐ、赤ちゃんが機嫌が良い時に読み聞かせを始めていました。面白いもので、私が本を読み始めるとじっと聞いている気がしました。
絵本の読み聞かせアンケートの結果
管理人独自にママさんに絵本の読み聞かせのアンケートを取ってみました。
2位 新生児
3位 生後半年
生後3ヶ月
一番多かったのが、生後3ヶ月という時期です。3ヶ月といえば新生児の頃より育児に慣れ、ある程度ルーティーンが出来始めてママにも余裕が出てくる頃。首もすわり、少し落ち着いてくる時期ですね。生後3ヶ月の赤ちゃんは、少しずつ見える範囲も広がり、色や音を判別する能力もついてきます。生後4ヶ月頃になると目でママやパパを追い始めたり、手を使ったりできる頃なので、その頃に読み聞かせを始めるという人が多いようです。
新生児
ママやパパの声を聞かせたい。そんな気持ちから読み聞かせを始められるようです。
私も2人の子供達は新生児から読み聞かせを始めました。特に下の子は上の子に合わせて月齢よりも早目の絵本を必ず夜に2冊読んでいたので、どちらもですがすっかりと絵本好きの子になり、読まないと寝られなくなりました^^;
生後半年
早い子で動き始める生後半年は、何にでも興味を持つ月齢です。そのため、触って面白い絵本などを見せてあげると、面白そうに手を動かし、舐めたり触ったりしますね。読み聞かせをしてあげると、五感を刺激してあげられるので、この時期から読み聞かせを始めようかと考えられるママさん達も多いです。
読み聞かせっていつからするべき!というのは、ありません。赤ちゃんであろうと、お母さんの声を聞くという行為は心安らぐことですので、積極的に行って欲しいものです。
絵本の読み聞かせの効果とは?賢い子に育つ?
絵本の読み聞かせには、下記の効果があるとの研究結果が出ています。
・親子のコミュニケーションによる豊かな人間関係を育む
・言語的発達や情緒の安定
・コミュニケーションや共有・共感能力の発達
教育心理学や発達心理学の観点では、読み聞かせは子供の想像力や言語能力を高め、豊かな人間関係を育んでいくと研究報告が出ています。アメリカのベストセラー「The Read-Aloud Handbook」の著者であるトレリースは、読み聞かせを子どもの興味・想像力・言語能力を刺激し、情緒的発達を促すとしています。また読み聞かせをする親の声を聞かせることが、子どもの精神状態を落ち着かせるとしています。
また、読み聞かせは、子どもだけではなく親とのコミュニケーションを通して人間関係を構築していくものでもあります。親が読んでいる物語を子どもは絵を見て耳で聞き、そして想像の世界へと導かれます。そして自然に浮かんだ疑問や気づきを親に伝えることによって、親子と一つのことを共感したり共有するコミュニケーションが生まれます。この相互コミュニケーションが読み聞かせの大きな意味だとも言われています。
読み聞かせによる子どもの脳の発達
子どもへの読み聞かせによって、子どもはどんな脳の発達が起きているのでしょうか?
2008年に行われた日本大学大学院総合科学研究科の研究チームによると、「読み聞かせによって母親の脳では前頭前野が活発化し、子どもの脳は大脳辺縁系が活発化している」との結果が出ました。
読み聞かせによって「心の脳」と呼ばれている子どもの大脳辺縁系が発達するということは、つまり、読み聞かせによって豊かな感情と情動が育っていくということを意味します。
これらの研究から、読み聞かせは子どもの情緒の安定や豊かな想像力への創造に影響があるといえるでしょう。
絵本の読み聞かせ 発達段階に合わせたおすすめは?
絵本はどれでも読み聞かせれば良いというのではなく、適切な発達段階に合わせて選んでいくと効果的でしょう。
・赤ちゃんの読み聞かせ
・1歳〜2歳の読み聞かせ
・幼児期前半(2歳〜3歳)の読み聞かせ
・幼児期後半(4歳〜6歳)の読み聞かせ
赤ちゃんの読み聞かせ
赤ちゃんへの読み聞かせは、まだ意味や言葉が分かっていないと思わずに、解りやすい簡単なお話を繰り返し読んであげると良いでしょう。特に、色や形がはっきりとした絵本を好むので、一緒に抱っこしながら見せてあげると本への興味への導入とできることでしょう。
1歳〜2歳の読み聞かせ 言葉の爆発期
1歳から2歳の読み聞かせは、言語習得の上で非常に有効です。
子どもの発達段階では、2歳は「言葉の爆発期」とも呼ばれ、急激に語彙を習得していく時期となります。そのため、この時期に読み聞かせをしてあげることによって、子どもの言葉の習得を豊かにする一因となります。
この時期は、母親からの働きかけを取得し、能動的ではありますが会話パターンを習得する発達変化がある時期です。そのため、親主導で「これは、何?」と働きかけることで、子どもが「うさぎ」などと答える会話パターンを形成していきます。親の働きかけが強く影響している時期ですが、自然にページをめくる、本を元の棚に戻すなどのルールなどを学んでいきます。
幼児期前半(2歳〜3歳)の読み聞かせ ごっこ遊びへの発展
幼児期前半では、言葉に限らず身体的な活動を通して絵本に関わっていくことが増えていきます。例えば、表情よ身振り手振り、指差し、発声などで物語の世界と向き合い本の世界に没頭していきます。登場人物と一体化し、ごっこ遊びへの発展へと繋がっていく時期でもありるので、母親は子どもの世界を広げてあげるような働きかけやそっと見守り子ども自身が発展させていくのを見守っていく姿勢も大切になってきます。
この時期は、じっと座ってお話を聞くことが難しい子どももいます。別のことをし始めたら、お話をいったん中断し興味を戻してやるか読み聞かせ自体をやめても良いでしょう。おもちゃを片付けたり、部屋の整理整頓をするなど、子どもが集中して絵本の世界に入ってくるような環境づくりも必要です。
また読み聞かせを生活パターンの中に組み込み、幼い頃から習慣化することで、子どもにとって本を読むことが身近になり語彙力や想像力を高める手助けとなるでしょう。例を挙げると、集中力が増す朝の時間や就寝前の入眠儀式にしても良いですね。寝る前は、ママもリラックスしているので、子どももリラックスした状態でお話を聞けます。活動的な本は、朝読むなどシーンに合わせて読む本を変えても良いですね。
幼児期後半(4歳〜6歳)の読み聞かせ 三者対話から二者対話の変化
幼児期後半では、しっかりと読み手の声を座って落ち着いて聞くことができるようになります。読み手の声を聞きながら、物語の世界に没頭し、心の中で世界を膨らませ発展させることができるようになります。これまではママと子どもと本の三者間対話であった関係が、子どもと本の二者対話へと変化していきます。
長めの文章をじっくりと聞き入ることができ、物語の関係性もしっかりと理解でき始める時期です。挿絵と物語の関連を理解し楽しむ時期でもあります。
まとめ
子どもが大きくなるにつれ、一人で読書という機会も増えていきますが子どもが本が好きになるのは、幼い記憶にある読み聞かせによるママとのコミュニケーションの時間の記憶かもしれません。
子どもの発達段階に沿って読み聞かせをする本や読む長さ、場所などを考え、繰り返し読み聞かせをすることは豊かな子どもの情緒を育む中で非常に大切な役割を持っています。
また、読み聞かせは本を通して将来、見識を広め学び続けるという姿勢を作る社会文化的な意義のある活動であるともいえるでしょう。
ぜひ、お子さんに本の楽しみを広げていってほしいなと思います。
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